良い/悪いから好き/嫌いへ―社会とアーティストのための価値転換のために

一般に良いモノといえば、使いやすいもの、美しいもの、売れているものといったところでしょう。反対に悪いモノといえば、使いにくかったり醜かったり、人気がないものということになります。

ところが、こと芸術作品になると価値基準がよじれてきます。売れることを意識することは良くないこととされ、特に現代アートとなると使えないことが評価されることもあります。岡本太郎に至っては、「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」とまで言います。

売れることを意識することは良くないこととされ、特に現代アートとなると使えないことが評価されることもあります。岡本太郎に至っては、「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」とまで言います。

それゆえか、アートはよくわからない、とおじさんはしばしばつぶやきます。この表現が文脈を損ねていないと思われるならば、それはある程度は客観的な性質として共有されているということでしょう。そんななかで、「「見たまま、感じたまま」でまったくOK」と言われても意味が分からなくなりそうで、ひどい場合は美術館が嫌いになってしまいそうです。

そんな問題意識から、TAMENTAI GALLERYは、敷居の低いギャラリーを目指しています。それは、根本的にはアートは好きか嫌いかでしかないという考え方があるからです。100人いればそれぞれに好みは違って当然で、だれかの琴線に触れる作品を提供できればこれ幸いです。と同時に、取り扱い作家の作品を、たとえよくわからなくても、なしうる限りおもしろがる所存です。

*本稿は、以前別の場所に書いた記事をベースに改めて加筆修正したものです。